「アンリ・シャルパンティエ」や「シーキューブ」ブランドのお菓子への”想い”を伝える
シュゼットグループwebサイトの概要
シュゼットグループは、「アンリ・シャルパンティエ」や「シーキューブ」など、複数の洋菓子ブランドを展開する企業です。その公式ウェブサイトは、企業としての姿勢とブランドの世界観を丁寧に伝える、シンプルで上質な構成が特徴です。
派手な演出に頼ることなく、素材や技術、何より企業姿勢=“お菓子への想い”を伝える構成は、ものづくりへの真摯な眼差しを感じさせます。
1 ターゲット
グループ内のブランドはそれぞれ独自サイトを持ち、商品の紹介やオンライン販売はそちらのサイトの役割となっています。
シュゼットグループとしての本サイトは、「商品の紹介・販促」というよりは、「企業理念の周知」や「ブランドの信頼性向上」を意図した構成が読み取れます。
そこから想定される主なターゲットは、以下のように考えられます。
- ブランドの背景にある企業姿勢を知りたいリピーターや上質志向の顧客
- 洋菓子業界に関心を持つ調理関係者や求職者
- パートナー企業や報道関係者、投資家
2 トップページの印象
シュゼットグループサイトのファーストビューでは、「菓子と生き方をつくる。」という短いキャッチに、フランベされるクレープ(クレープシュゼット)の画像がゆっくりと加わります。
大きく余白を取った写真と短いテキストが繰り返し配置され、スクロールするごとに、創業者の想いから始まるシュゼットグループのストーリーに引き込まれます。
背景は淡い黄色で、アクセントカラーのターコイズブルーがよく映えます。
色数を抑えたデザインに、明るく柔らかなトーンで統一された画像からは、ひたすら「優しさ」を感じます。
「ゆっくり」「ふわりと浮かび上がる」演出効果は、視線の動きによりスクロールを誘導し、またファストフードの対極にある、上質感を感じさせてくれます。
情報を詰め込まない余裕をもった配置と控えめな動的演出は、ブランドが大切にする「丁寧な手仕事」「誠実な姿勢」を映し出す鏡のようです。
3 特徴
シュゼットグループサイトは、訪問者にギャラリーを見て回るようなゆとりの時間を提供しているような印象を受けました。
全体的にゆっくりしたトーンの演出の中、「優しく品格あるビジュアル」と「文章の読みやすさ」が際立っています。
- 商品を前面に出さず、あえて“背景”としての企業姿勢にフォーカス
- 多くのコンテンツで、テキストを主体としたシンプルな構成を貫き、フォントは読みやすく大きく太く、「疲れることなく読ませる」ページ作り
- サイト全体に流れるゆるやかなトーンが、ブランドの世界観を心地よく浸透させてくれる
- ビジュアルは明るく柔らかな印象にトーンが統一されている
また、各ブランドやプロジェクトへの導線も丁寧に配置されており、訪問者が「次に何を知りたいか」に応えるような設計がされています。
記事は厳選され、詰め込み感はありませんが、サステナビリティへの取り組みや地域連携プロジェクトの紹介などは充実しており、近年の社会的価値観に応じたブランディングを充分に意識した構成です。
特に「私たちの想い」の項目は、企業理念や指針、ロゴに込めた想いを丁寧に紹介しており、読み応えがあります。
4 ユーザーインターフェース
シュゼットグループサイトは、シンプルなユーザーインターフェース設計で、訪問者はナビケーションメニューにより迷うことなく目的の情報へと遷移できます。
フォントは前述のように視認性が高く、余白も多く取られているため、読むというより自然に情報が入ってくるような感じさえします。
英語のページも用意され、訪日観光客や海外投資家、あるいは海外からの就業希望者向けにも対応が取られています。
SNSとの連携については、このサイト内からの直接的な動線は見当たりませんが、ブランドサイト側からは積極的なアプローチが伺えます。
ナビゲーションメニューについて
ナビゲーションはトップページの上部に固定されており、どのページからでも主要情報にアクセスしやすく、訪問者が目的の情報に素早くたどり着けるよう配慮されています。
また、全体の構造としてもフラットで、情報階層が深すぎないため、サイト内を行き来しても迷子になりにくい点も好印象です。
まとめ
シュゼットグループの公式サイトは、情報過多な時代の中、ゆったりとした演出効果と静けさを感じさせる構成により、上質さと丁寧さを感じさせる企業サイトです。
商品の紹介は各ブランドサイトに任せ、「どのような想いでつくっているのか」「どこに価値を見出しているのか」といった、企業としての本質を伝えようとする姿勢が、全体を貫いています。
華やかさや派手さを避け、訪問者の導線や心地よさに配慮したサイトは、シュゼットグループというブランドが目指す、ーシンプルに実直に”想い”を届けるー、そのような姿を体現しているように感じました。