懐かしさを感じさせる、猫のダヤンの物語世界に浸る
わちふぃーるど webサイトの概要
わちふぃーるどは、池田あきこ氏が描く『猫のダヤン』を中心とした独自の世界観の作品で知られ、長くファンの心を掴んでいるブランドです。
その公式ウェブサイトも、ブランドの物語性を丁寧にビジュアルで表現しており、訪れた人に「ダヤンの世界に入り込む」体験を与えてくれます。
商品やコンテンツの紹介という枠を超え、その世界観の表現の場となっています。
ターゲット
わちふぃーるどウェブサイト全体から感じられるトーンやコンテンツの構成から考えると、主なターゲットは長年のファン層、つまり「ダヤンとともに時を過ごしてきた大人世代」だと考えられます。
加えて、絵本やキャラクターに惹かれる若年層、さらにはギフト需要を意識した購入者も視野に入れているようで、多様な手段での発信に意欲的です。
トップページの印象
私が感じたサイトの最初の印象は、「懐かしい」でした。
縦スクロールスタイルのサイトが主流の中、このサイトのトップページは、一目で内容全体が見渡せるようにコンテンツが配置された、昔ながらのスタイルです。それはここでは古いというよりは、少しレトロと言いたくなるような感覚で、『わちふぃーるど』のノスタルジックな世界観と良く合っているように感じました。
キービジュアルはスライド演出により、可愛いイラストを使った告知が流れてきます。イベントなどのの告知絵は一つ一つがポスターのようで素敵ですが、『WACHI FIELD』のロゴと文字が重なる場合がある点は少し残念です。
トップページの情報量が多く、また、キャラクターの絵柄がふんだんに使われているにもかかわらずうるさく感じないのは、全体の配色がクラシカルな優しさを持ち、過度な装飾がないおかげでしょう。
特徴
わちふぃーるどウェブサイトの特徴は、やはり「ブランドの物語世界がそのまま持ち込まれた空間」であることでしょう。
「猫のダヤン」などキャラクターの絵が、キービジュアルから始まり、多くのバナーにも描かれて並ぶ様子は、まるで本屋の平台に絵本の表紙が並べられているようです。
「わちふぃーるどの世界」でも、絵本のような物語形式での説明がされており、ファンサービスと新たなファン獲得に効果的と感じました。
更に「作家 池田あきこ」の紹介ページは、二匹の猫が立って向かい合うイラストをダイナミックに全画面で背景に使い、中央の情報だけをスクロールするという演出がされており、世界への没入感を高めています。
ユーザーインターフェース
わちふぃーるどウェブサイトは、ぎっしりと情報が溢れてはいるものの、一目でサイトの構成が見渡せるので、初見のユーザーでも目的の情報が得やすいでしょう。
特に、歴史あるブランドですから、長年のファンが慣れ親しんだ操作感や、サイトイメージを大切に保持しているのかと思われます。
一方、世界観を壊さない配慮をしながら、X(旧Twitter)やLINE、Instagram、TikTokなど多くのアイコンはメイン表示枠の外に配置され、様々な手段での情報発信に積極的な姿勢が伺えます。
ナビゲーションメニューと構造
わちふぃーるどウェブサイトのナビゲーションは、スライドのヒーローイメージ下に並んだメニューを基本に、画面上部やフッターにも分かれて、目的ごとに情報が整理されています。加えてサイドのブロックやバナーもナビゲーションの機能を持っているため、ユーザーは視覚情報から興味に任せて感覚的にページ遷移が可能です。
中央メニューは「イベント」「ショップ情報」「オンラインショップ」「わちふぃーるどとは?」などに分類されており、それぞれがしっかりと情報量を持ち、階層化されています。
世界観は共通であるものの、それぞれのページの構成は個性的な色を持っています。オンラインショップもまた独立したサイトとして成立しており、世界観を伝える工夫が多く見られます。
全体として、ユーザーが「情報を探す」というよりは、「世界を旅する」ようにサイトを回遊し楽しめる設計です。
まとめ
わちふぃーるどの公式webサイトは、単なるキャラクターグッズ紹介の場ではなく、ブランドの世界観そのものを体験できる「ウェブ上の物語空間」でした。
ビジュアルが豊富で、イベント告知も多く、キャラクターとブランドの世界観を効果的な方法で発信しています。
ブランドファンにとっては、グッズに溢れたショップに来店するように、旧知の友の家を訪問するように、何度もリピートしたくなる魅力を持っています。
サイト全体の構造はやや古典的で、近年トレンドのインターフェースとは異なりますが、むしろその「昔から慣れ親しんだ顔」を持つことが、ブランドの温もりを持った雰囲気やファンとの関係性にフィットしているように感じました。