緑の自然に包まれ育つストーリー
浦河フレンド森のようちえん
1. 浦河フレンド森のようちえんウェブサイトの概要
北海道浦河町にある「浦河フレンド森のようちえん」は、自然の中で育ち、学ぶことを大切にした幼児教育の場です。かつて「浦河フレンドようちえん」として地域に根付いていましたが、2022年4月に移転と同時に改称し、森に寄り添う新しい園舎と共に歩みを進めています。
教育理念には「自然と人間を愛する心を育てる」という言葉が掲げられ、日常の遊びや活動を通して、子どもたちが五感を使いながら学ぶことが大切にされています。

浦河フレンド森のようちえん公式サイトには、園の教育方針や活動の様子、園舎の紹介、給食、さらには子育て支援クラブや学童クラブ、療育事業「こどもの森 うらここ」まで、幅広い取り組みがまとめられています。
訪問者は「園の雰囲気を知る」だけでなく、「地域でどのような子育て環境が広がっているのか」まで理解できる構成になっています。
2. サイトのターゲット
入園を考える保護者:教育理念や活動内容、園舎のデザインや給食のこだわりまで細やかに紹介されているので、子どもをどのような環境で育てたいかを検討する際の判断材料になります。
地域で子育て中の家庭:公式サイトには「子育て支援クラブ」や「フレンドクラブ」といった活動が紹介されており、園児以外の子どもや保護者も参加できる場としての役割が示されています。
園が地域社会とつながりを持ち、親子が孤立せず交流できる拠点であることが自然に伝わってきます。
未来のスタッフや教育関係者:園舎の建築コンセプトや教育スタイルが丁寧に紹介されており、理念に共感する保育者が関心を持ちやすい構成になっています。
移住希望者:浦河町の暮らしや地域の魅力を紹介するページが設けられており、この幼稚園をきっかけとした移住も意識されていることが伺えます。
3. トップページの印象
浦河フレンド森のようちえんウェブサイトを訪れてまず感じるのは、緑にあふれた穏やかさです。
ファーストビューでは、緑色のイラストが「森のようちえん」という名称そのままを表しているようで、のんびりとした空気が流れています。
イラストに描かれているのは、森の中の緑の広場の真ん中に立つ園舎、広場でくつろぐ人々、パオのようなのは別棟でしょうか。広さと自然と、地域に開かれた施設空間ということを十分に感じさせてくれるイラストです。
イラストの周りは、緑の葉の形をしたリンクボタンにぐるりと囲まれています。
また、スタッフ募集のCTAバナーも、大人と子供が手を振る動きを加えたイラストで、この優しいサイトに違和感なく馴染んでいます。
基本的な情報の概要説明と詳細情報へのリンクが続きますが、イラストが大変多く使用されている中、幼稚園サイトにしては写真は少なめなように感じます。
その写真も、小さめのサイズで、更に、画像枠も卵形‥というより、私には大福の形に見えるのですが、非対称な柔らかい丸みを持った形に切り取られています。
小さな丸い円の中の子供たちは、優しく繭の中に包まれて大切に育てられている、そんな風に見えてきます。
4. サイトの特徴
浦河フレンド森のようちえんウェブサイトは、確固たる理念のもとに運営される幼稚園らしく、一般的な街中の幼稚園とは違ったサイトの景色を見せています。
サイトの色彩
背景色:白、または、薄い黄緑色。
メインカラー:緑色。
サブカラー:黄緑色。
緑色と黄緑色のどちらがメインカラーと判断するか迷うほど、ほぼ同量で使用されています。経営する「学校法人 フレンド恵学園」のコーポレートカラーから見て、緑色がメインカラーだと判断しました。
幼稚園という場であることから、優しさのある黄緑色が多く使われているのかもしれません。
テキスト
文字は、僅かに赤みがかった濃いグレーで表示されています。無機質なグレーよりは、若干温かみを感じる色です。
文字は小さめな印象を受けますが、視認性に優れたゴシック体で、行間も十分にとって読みやすくなっています。
ページ数が多くなっていますが、訪問者の目的に合わせた構成で、読み疲れないような配慮が見られます。
想いを強く持っている施設ですから、伝えたいことも多いでしょう。それらを詰め込むことなく、項目ごとに丁寧に説明しています。
教育理念を視覚化するデザイン
サイト全体を通して、「自然との共育」「非認知能力を育む」といった理念が繰り返し語られています。
これは単なるスローガンではなく、森の活動や給食、園舎設計の紹介と結びつけて示されているため、理念が実際の活動として体現されていることが分かります。
サイトデザインも、森や舞い散る葉などによって、自然の緑の中に包まれているようなものになっています。
そこには、難しさや堅苦しさは感られず、崇高な理念も「自然に」このサイト空間に漂う空気として表現されているようです。
園舎そのものが教育理念を表す
2022年に完成した園舎は木の温もりを大切にしたデザインで、年齢を問わず子どもが自分の居場所を見つけられる空間づくりが紹介されています。
「建物が教育を支える」という視点が打ち出されており、これ自体がブランディング要素となっています。
壁がなく、複雑に組み上げられた構造体が剥き出しの大空間を、子供が自由に使い過ごす姿は、他の幼稚園では考えられないような気がします。まるでジャングルジムの中に暮らすような園生活は、自由にのびのびと逞しい子供達を育てるのではないでしょうか。

地域性との結びつき
「浦河町について」のページでは、地域の自然環境や暮らしが丁寧に説明され、園だけでなく町全体を含めたライフスタイルが提案されています。これは都市部の家庭や移住を検討する層に向けていると考えられ、安心感を与える要素にもなるでしょう。
多様な活動
学童クラブ、子育て支援、療育事業など、異なる年齢やニーズに応じたプログラムが整理されており、多くの家庭にとって「関わりやすい場所」と感じられる工夫があります。
浦河フレンド森のようちえんウェブサイトのデザイン的にも、例えばトップページファーストビューでは、園舎を中心としたイラストの周りに、様々な活動のリンクが取り巻いており、多様な活動全体で「浦河フレンド森のようちえん」というものを形作っていることが、視覚的に表現されています。
体験を想像させるストーリー性
園舎で自由に遊ぶ子供の画像や、薪割りや畑での収穫といった具体的な活動の紹介によって、「ここで過ごすとどんな毎日になるのか」を描ける構成になっています。
明らかに他の幼稚園とは違う体験ができる強みを、園児の日々の暮らしの紹介の中で印象付けています。
5. ユーザーインターフェース
浦河フレンド森のようちえんウェブサイトは、整理されたナビゲーションと楽しみをもたらすウェブデザインで、ユーザーのサイト体験をサポートしています。
整理された階層構造
グローバルナビゲーションメニューは「私たちについて」「園舎について」「給食」など大きな枠がわかりやすく、迷いにくい設計です。
フッターにもサイトマップ的なナビゲーションが用意され、スムーズな移動の助けになります。
自由さを感じさせるナビゲーション
整理されたナビゲーションに加え、トップページでは緑の葉の形をしたナビゲーションボタンが、メインビジュアルを取り巻いて、フワフワと浮かんでいます。
「森」「自由」「多彩な活動」といったことを無意識に感じながらの移動体験を提供している印象です。
行動を促す導線
見学申し込みや採用情報、お問い合わせなど、行動につながるリンクが明快に配置されています。
トーンの統一感
色合いが自然で柔らかく統一されており、安心感を与える雰囲気があります。
レスポンシブ対応
モバイル端末での、縦長の画面に合わせた対応をしています。操作感もよく整えられており、モバイルでも楽しいサイトの雰囲気を保っています。
多国語表示
中国語、英語、フランス語、韓国語、ベトナム語の5カ国語対応です。これだけ多くの言語対応もなかなか見られませんし、全てのページが対応しているようであるのも素晴らしいです。
まとめ
浦河フレンド森のようちえんの公式ウェブサイトは、「自然と共に育つ」という教育理念を、イラストやコピー、園舎紹介を通して具体的に表現した、完成度の高いウェブサイトです。
イラストいっぱいのウェブサイトは楽しさに満ち、緑の画面からは「森」の中で過ごす子どもたちの心地よさが想像できます。
保護者にとっては子どもの成長をイメージしやすく、地域にとっては園を核とした子育て環境の広がりを知るきっかけにもなるでしょう。
他にはない独自性を持った園の素晴らしい理念を、見て感じさせる構成の素晴らしさと、地域性の発信に強みを感じ、優しいトーンのイラストに包まれたサイト全体の空気感と、丁寧な文章の調和が好印象です。
浦河フレンド森のようちえんの魅力が十分に表現された、森の自然の空気感を画面から運んできてくれるような、優しさに満ちたウェブサイトでした。
