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011 ブロンプトン(Brompton)

折りたたみ自転車への自信とプライド


ブロンプトン公式ウェブサイト(日本語版)の概要

ブロンプトン(Brompton)は、折りたたみ自転車で世界的に知られるイギリス発のブランドです。

日本語版の公式ウェブサイトでは、ブランドの哲学や製品ラインアップとともに、サービス案内、イベント情報などが紹介されています。

全体的に、海外ブランドらしい、シンプルで洗練されたおしゃれさが感じられるサイトです。


ターゲット

ブロンプトンウェブサイトのターゲットは、自転車を単なる「生活の足」としてではなく、自分のライフスタイルや志向を表す手段とも捉える人々だと考えられます。

  • 都市生活者:折りたたみ自転車は都会生活と相性がいいです(ストップ&ゴーが多い、自宅保管事情などから)。そのような中、高価格であってもスタイリッシュに自分を表現しながら自転車を楽しみたい人。
  • 環境意識が高い人:排気ガスを出さない自転車、その中でも品質やブランドストーリーのあるものに価値を感じる層。
  • メカニカル好き:ブロンプトンは独特の折りたたみ構造が特徴的。そこに興味を惹かれる人。

トップページの印象とサイトの特徴

ブロンプトンウェブサイトのトップページは、ファーストビューでブランドの世界観を感覚的に伝えてくれます。

製品の販売より先に、まずはブランドのライフスタイル性や哲学を理解してもらおうという意志が感じられます。

⚪︎画像

ヘッダー画像では、モデルが着るジャケットと自転車が緑色系に揃えられ、それがベージュ色の道に映えて印象的です。

更にモバイル版では画像が差し代わっており、ベージュ色の壁に影を落とすブロンプトンの自転車の様子は、「乗り物」というよりアートのようです。

ヘッダーに限らず、「ベージュ系」を背景にしている画像が多く、そこにこだわりを感じます。ベージュが現すものは、「高級感」や「歴史ある落ちつき」でしょうか。

全体的に落ち着いた色調と無駄のないレイアウトが、英国ブランドらしい上品さを感じさせます。

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︎⚪︎ロゴ

ウェブサイトトップに使用されているロゴは、シンプルなタイポグラフィを基本とした視認性高いデザインです。(現在は50周年を意味する「50」が添えられたロゴのようです。)


︎フォントについて

ブロンプトンウェブサイト(日本語版)のフォントは、ゴシック体と明朝体が混在しているように見えます。(Windows、Macintosh両方の環境で確認)

本文にあえて可読性に劣る明朝体を使用しているのは、「イギリス」発の伝統的雰囲気と高級感を感じさせる意図があるのかと推測してみたのですが、そもそもメインキャッチからアルファベットがゴシック体で日本語部分が明朝体です。

おそらく、他の言語と同様に全てゴシック体での表示を意図していたが、「フォント指定に日本語フォントがない」為に、日本語部分だけOS環境に依存した文字表示になっているのでしょう。

日本でウェブデザインを学ぶ中では、欧文フォント、日本語フォントの双方の指定(または代替フォント指定)は必須と教えられています。海外ブランドの日本語版という事で仕方のない事かもしれませんが、本来のデザインが生かされずブランドイメージの統一感が失われてしまうのは残念です。日本語版のスタッフもその点は分かっていつつも、メンテナンス性などの諸事情から対応出来ないのかもしれないと推察すると、グローバル企業や多言語化の難しさを感じます。


ユーザーインターフェース

ブロンプトンウェブサイトのユーザーインターフェースは、余計な装飾や情報が少ないながら過不足なく、シンプルな機能美があります。訪問者が迷わず、目的の情報に2クリック以内でたどり着ける構成は親切です。

モバイル独自のデザイン設計も感じられ、この点ではどんな環境でも最適な表示を目指すこだわりを感じました。

︎⚪︎ ナビゲーションメニュー

ナビゲーションは画面上部に2段にに別れて配置されていますがわかりやすく、目的の情報へ素早くアクセスできます。

  • モデル紹介:製品情報。シリーズ別に表形式に整理され、比較がしやすい構成になっています。FAQやサポートもここから。

011 ブロンプトン きら星にそら猫

  • 選ばれる理由:唯一無二の特徴を持った折りたたみ自転車である自信とプライドが強く現れています。
  • 特集コンテンツ:ブランドファン向けの記事で、ブランドイメージを発信しています。
  • 店舗情報:Brompton Tokyoのページへ。ナビゲーションメニュー2段目にもリンクボタンがありますが、折りたたまれる自転車のアニメーション表示がさりげなく使われている事に、制作者の遊び心を感じます。

︎⚪︎ 多言語対応

グローバルメニューから日本語、英語や他の言語へ簡単に切り替えが可能です。各言語間で構造が統一されていて、一貫したブランドイメージを発信しています。

非常に多くの言語が選択肢として表示されますが、ほとんどの言語はグローバルサイトへリンクされており、独自のサイトが作られているのは日本語を含め少数です。

日本語表示のフォント問題については、上で記した通りですが、個人的に、海外ブランドデザインならではの誤解体験がもう1つありました。私は日本語版にアクセスした際、ナビゲーションメニューにある「赤丸」は何かの告知か?とクリックしてみて、初めてそれが日本語表示の意味(日の丸)だと分かりました。国旗を丸く切り取ってアイコンとして使用している為、シンプルすぎる日本国国旗の特殊性から生まれてしまう勘違いでした。仮に四角の中に赤丸でしたらそんな疑問も生まれなかったでしょうから、デザイン性と明瞭性のバランスの難しさを感じました。

⚪︎ SNSとの連携

フッター部分にInstagramやYouTubeへのリンクが設置されており、ブランドの世界観をより広く発信する導線が整っています。


まとめ

ブロンプトン公式ウェブサイト(日本語版)は、ブランドのイメージを視覚的・直感的に伝えている洗練されたサイトです。

自信とプライドを持っている事が随所から伝わり、ファンを作ってから購買に結びつけるという意図が感じられます。

統一されたテイストの美しい画像と、シンプルでわかりやすいナビゲーションを備え、サイトに訪れた人の関心を次の行動に移される仕組みが素晴らしいと感じました。

ただ、海外ブランドの日本語版という事で起きがちな事なのかもしれませんが、デザイン設計意図に反した表示がされているような点は非常に残念です。

フォント選びはブランドイメージに直結すると考えているので、環境の違いによる表示でイメージとのミスマッチが起きるのは、出来れば避けるべき課題と強く感じた例でした。

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