石を「鉱物」としてトータルに紹介
鉱物の世界へようこそ!
1 鉱物の世界へようこそ! Webサイトの概要
『鉱物の世界へようこそ!』は、「Welcome to The World of Minerals」という英語表記も併記された、鉱物にまつわる基礎知識から楽しみ方、実際に触れる体験までを丁寧に案内するウェブサイトです。
各ページの記事は短いものではありますが、大変多くのページで構成され、かなりの情報量を持っています。
2 ターゲット
鉱物の世界へようこそ!ウェブサイトが求めるターゲットというよりは、このサイトに興味を持つ人々ということになるでしょうか。
鉱物に触れたことはあるけれど、まだ知識が深くない方や「少し興味があるけれどハードルを感じている方」=「鉱物初心者」が主な読者になると思われます。
また、「鉱物採集」に興味を持ち、このサイトに辿り着く層も見込まれます。
やわらかく親しみやすい語り口で、読者に心地よく寄り添う印象です。
3 ファーストビューの印象
鉱物の世界へようこそ!のサイト冒頭には大きなビジュアルで、鉱物の結晶やタンブルが、少し左に寄った山型に配置されています。明るく色鮮やかなビジュアルは心惹かれるような美しさです。
敢えて右側に余白を持たせているのは、これから知ることになる新しい知識を象徴しているのでしょうか。
続く文章では、誰もが一度は耳にしたことのある「鉱物」という言葉に、パワーストーンや美しい石などのイメージを抱くものの、意外と深く考えることは少ないのでは――という優しい語りかけから、サイトへの興味をそっと引き寄せています。
文章と画像が穏やかに調和しており、押しつけることなく鉱物への興味を自然に喚起する演出を感じます。
さらに、講師役と言うべき女性モデルと鉱物の写真に添えられたキャッチには『地球の贈り物 鉱物の世界』とあり、「鉱物」を大切にすべきものとして紹介するという、サイトの立ち位置を伝えています。
4 特徴
鉱物の世界へようこそ!ウェブサイトは、体系的で豊かなコンテンツ群により、具体的で実用的な内容となっています。サイト全体のトーンは落ち着いており、専門性と親しみやすさを両立し、知識の浅い人にも受け入れやすい構成で、知的好奇心への丁寧な寄り添いが見られます。
記事内容は、「鉱物についての情報」「パワーストーン」「宝石」を5:2:3の割合で扱っている印象です。
鉱物について
基本から専門的な話題、実践的な採集・標本作りまで、段階的に深められるよう構築されています。特に、鉱物採集にまで踏み込んでいるのが特筆すべき点だと思います。
欲を言えば、科学組成が入れてあると、より図鑑的で専門性が出るのでは、と感じました。
パワーストーンについて
パワーストーンについては、「宝石の方が綺麗」、「値段が高い」、「(パワーストーンとは違い)宝石は誰もが知る存在」というのが一般的な意見だと説明しており、やや否定的な扱いが見られます。
その一方、鉱物図鑑では「効果」として「幸運を招く石」「ネガティブな感情から守ってくれるパワー」などの記述が記事の中核となっているので、一定の歩み寄りを見せている印象です。
宝石について
ダイヤモンド、アレキサンドライトについての、詳細な記事があります。
「人工ダイヤモンド」に関する記述が多いのは、このサイトのコンセプト「地球の贈り物」に沿っているか疑問が残りますが‥。
5 ユーザーインターフェース
鉱物の世界へようこそ!ウェブサイトは、サイドバーにグローバルナビゲーションを設置しています。各記事にはさらに詳細なサブ項目がある豊富なコンテンツを誇っているので、ずらりとサイドに並んだナビゲーションに助けられ、ユーザーは知りたい内容に迷わず進んでいけます。
モバイルでは、グローバルナビゲーションが下部メニューから展開される構成で、こちらも使用感よく設計されています。
モバイルファーストの設計であり、PC版の方を調整している形でしょう。そのためか、画面サイズによってはトップの画像がデザイン意図通りに表示されなくなっていると思われます。
「検索」ボックスも設けられており、ユーザーが目的の記事へ迅速にアクセスできる設計になっている点も好印象です。
トップページには、シェア用のボタンとして X・Facebook・LINEが並んでおり、SNS やメッセージでの共有を想定した UI 配慮が確認できます。情報発信としてはこのサイトに限定し、拡散用にSNSを利用しているようです。
まとめ
「鉱物の世界へようこそ!」は、鉱物への興味をそっと後押しする、静かで丁寧な案内者のような Web サイトです。
モバイルファーストの設計で、スマートフォンでの閲覧に最適化されており、検索機能もついているので、気になった時にいつでも調べられる便利さを持っています。
トップの優しい語りかけとビジュアル、体系的で実用的な記事構成には、鉱物に縁のなかった人にも、興味を持ち知識を深めたい人にも、どちらにも寄り添った意識を感じます。
きれいな石という程度の認識、またはパワーストーンへの興味から、「宝石」への関心へと導く流れとなっていますが、「宝石(あるいはジュエリー)」とは大きな距離があるような「鉱物採集」について詳細な記事があるのが大変印象的です。
「鉱物の世界へようこそ!」とサイトに招き入れられれば、自然と石が「地球からの贈り物」に感じられる、鉱物への興味に対する案内所として価値のあるサイトだと感じました。