アメコミのような鮮やかさ:ユニオンですから。
ユニオン
1. ユニオン(野嵩商会)Webサイトの概要
株式会社野嵩商会は、沖縄県内で「フレッシュプラザユニオン」を展開する地域密着型のスーパーマーケット運営企業です。
本社は宜野湾市野嵩にあり、資本金1,000万円、正社員370名・パート1,460名を擁し、2025年3月期の売上高は378億円にのぼります。県内各地に19店舗、さらに「ユニオンスカラ」という新業態の店舗も展開中です 。
ユニオン公式ウェブサイトのメニュー構成は判りやすく、「私たちについて」「サービス・ブランド」「店舗・チラシ一覧」「生産者さまとのつながり」「トピックス」「ニュース」など、主要なページへのリンクがヘッダーの下に並んでいます。
多言語対応(日本語・英語・簡体字・繁体字・韓国語)も施されており、訪問者の多様性にも配慮されています 。
2. トップページの印象
ユニオンウェブサイトのファーストビューは強烈な印象を残します。
真っ赤な画面にスクリーントーンのような点描、大きな「U」の文字の上に載るキャッチは、「24HOUR WITH YOU!」「つながるハッピー ユニオンですから。」太いポップなフォント、大きなサイズで斜めに書かれています。
鮮やかな視覚へのアピールに、一目見て、「アメコミみたい」と感じました。
登場人物は、丸い画像枠に現れる、スーパーの従業員や生産者、そして、ユニオンの看板ルーフトップを帽子のように被ったキャラクター「ユニポン」です。
文字の装飾や画像枠、ルーフトップなどには緑色が使われ、赤とのコントラストを産んでいます。
画面一面が、明るく賑やかで楽しい雰囲気で満たされています。
ファーストビューの赤から始まり、背景が黄色、水色、緑、オレンジ、と、鮮やかな色が続いていきます。
このトップページからは、ユニオンが日常の生活にカジュアルに寄り添って「楽しさ=ハッピー」を届けるスーパーだという事が確実に伝わります。
3. ウェブサイトの特徴
ユニオンウェブサイトは、トップのスライダー、ロゴ、キャラクター(UNIPON)や「ユニオンですから!」といったフレーズが、ビジュアルと文言が一貫して他のページでも繰り返されているのが大変特徴的です。
イメージは大型の写真やアイコンで区切られ、セクションごとに視覚が切り替わる構成になっています。
デザインとブランドの調和:ビジュアルの統一感
繰り返し出るキャラクターとフレーズは、ローカルに根ざした「親しみやすさ」とブランドの耳馴染みを作る手法でしょうか。
大型写真+短いキャプションで「見せる情報(主張)」と「読ませる情報(詳細)」を分担させており、ファーストビューでブランド認知をしっかりと図っています。
スライダー、キャラクター、ロゴを通じて「ユニオンらしさ」がぶれることなく伝わります。
UNIPONのキャラクターはユーモラスで印象的、ブランド認知の要として機能しています 。
差別化を生むストーリー性
「生産者さまとのつながり」や「ニュース」などのセクションを設け、商品の背景や社会的活動を丁寧に伝え、単なる“スーパー”以上の存在感を感じさせます 。
「24時間営業」「年中無休」「県内初」など、地域への貢献や信頼性を明確に打ち出しています 。
例えば、「供給過程(誰がどう作っているか)」を見せることで信頼感が、地域の生産者を前面に出すことで、地元生産者を大切にする商店であるという姿勢が見え、他との差別化が生まれています。
多くの誘導リンク
サイト内から、SNSをはじめとして、アプリダウンロード、オンラインショップ(nodake.net)、UNICARD(電子マネー)や各種採用サイトへのリンクが目立つ印象です。ニュースでの告知やトピックスでのサービス紹介も頻繁に更新されている点も象徴的です。
4. サイトのターゲット
- 地域の生活者:24時間営業で買い物に行きやすく、安心して利用できるスーパーとして、地元の主婦層・家族層に向けて強くアピールしています 。
- 地元の生産者:同じ「つながり」のテーマを掲げ、仕入先や生産者にも誠実に対応していることが伝わります 。
- 求職者・就活層:採用情報が見やすく、親しみやすいトーンで表現され、企業文化を感じ取りやすいデザインになっています 。
5. ユーザーインターフェース
ユニオンウェブサイトは、楽しい雰囲気の中にも、しっかりとした設計で訪問者ニーズに応えています。
直感的なナビゲーション
ヘッダーのメニューやスライダーなど、どこをクリックするとどの情報に辿り着けるかが非常に分かりやすく、ユーザーに優しい設計です。
ユーザーが求める典型的な目的(店舗検索、チラシ確認、企業情報、採用情報)にダイレクト移動でき、店舗ごとの地図やチラシへの外部リンクを用意することで「行動(来店/注文)への導線」を短くしている点が効果的です。
ただし、トップにズラリと並ぶメニューは少し数が多いように感じます。
「出典用地募集」、「採用情報」や「LANGUAGE」を上段にするなど、2段構えで整理するとより使いやすいのではないかと思いました。
目的別導線
トップページ下部の情報ブロックが「トピックス」「サービス」「生産者」「ニュース」と段階的に配置され、目的別に探しやすい構成です 。
多言語対応
沖縄が観光地でもあると同時に、米軍基地を抱える状況を踏まえると、外国語対応は他地域以上に大切なのではないでしょうか。
ヘッダーで言語選択がすぐできる設計で、英語に加え、中国語、韓国語への対応があり、日本語を母国語としない来訪者への配慮が見られます 。
モバイル対応
詳細確認はできなかったものの、スライダーや画像構成などから、スマートフォンでも見やすいよう工夫されている印象があります。
まとめ
ユニオン(野嵩商会)の公式ウェブサイトは、「元気さ」「明るさ」を徹底的に追求していることが特色です。
原色が印象的なアメコミ風のデザインは、「沖縄」という地域性をも感じさせます。
繰り返し出るキャラクターとフレーズ「ユニオンですから。」は、ローカルに根ざした「親しみやすさ」とブランド名を心に浸透させるのに効果的でしょう。
賑やかな中にも、地域に根ざしたスーパーとしてのブランドを丁寧に描いているのも好感が持てます。地域の生産者を大切にしているという信頼感や、こだわった商品構成による安心感のアピールがしっかりと伝えられています。
アメコミ風の原色は見る人に元気を与えるパワーにあふれ、楽しさをもたらす文字表現はユニオンのサービス精神をよく表しています。
「つながるハッピー」を掲げたVISIONに違わない、一貫したストーリーを体現したWebサイトでした。