招き猫におかげ犬。親しみを感じる江戸レトロ
おかげ横丁
1 おかげ横丁ウェブサイトの概要
「おかげ横丁」は、伊勢神宮 内宮・宇治橋から歩いて約5分、おはらい町の中ほどにある江戸〜明治期の伊勢路の町並みを再現した商業観光エリアであり、商店や飲食店、体験プログラムが充実した人気スポットです。
おかげ横丁の公式ウェブサイトは、トップに大きなエリアの写真を配置し、親しみやすいイラストなどと共に、「おかげ横丁について」「営業時間」「アクセス」「店舗を知る」「季節の催事」「横丁の楽しみ方」「体験する」「オンラインショップ」「English」など、分かりやすくカテゴリ分けされたナビゲーションがデザインされて並んでおり、サイト訪問者の手助けをしています。
2 サイトのターゲット
- 国内観光客:伊勢神宮参拝とセットで訪れる層に向けた、便利で情緒豊かな案内がされています。
- ファミリー・体験型来訪者:体験や散策コンテンツが充実しており、幅広い年齢層に対応しています。
- 海外からの旅行者:画面上部に「English」の切替があり、多言語対応済みです。
- リピーター:季節ごとの催事、新着情報、オンラインショップなど、何度も見たくなるサイト設計です。
3 トップページの印象
おかげ横丁ウェブサイトは、どこか懐かしくなるようなレトロな雰囲気で訪問者を迎えてくれます。
メインビジュアルはおかげ横丁を高い位置から望んでいて、瓦屋根に石畳が印象的です。
中央には本日の日付と二十四節気、それに合わせて更新される季節のこぼれ話的な「暮らしのぞき箱」が表示されています。
ナビゲーションは縦書きの「ひな明朝」で記され、素朴なイラストと共に親しさを感じるような「和の空気」を演出しています。
コンテンツへの案内ナビゲーションボタンにもアイコン化されたイラストがついていて、楽しさを感じながらサイト回遊が出来るように工夫されています。
全体を通して、しっとりと落ち着くイメージで統一され、門前町の活気というよりは、懐かしさや情緒、「昔体験」にフォーカスを当てている印象です。
4 ウェブサイトの特徴
おかげ横丁ウェブサイトは、全体が「古く懐かしい日本」の雰囲気で統一されています。
江戸から明治の街並みを再現した街並みで、伊勢参りをしていた人々の気持ちが味わえる、そういった「おかげ横丁」の世界観がサイトにも徹底されている印象です。
豊富なコンテンツ
体験、店舗、季節の催事、等、多角的に楽しませるコンテンツが豊富です。
昔から続く日本ならではの風習に則った催事情報や体験は、この横丁の「特別さ」の演出となっています。サイトでも、冒頭の二十四節気の表示や、「暮らしのぞき箱」のように昔の暮らしと結びつけた店舗紹介もあります。
サイトの色彩
背景:クリーム色。点状の地紋が入った和紙風の背景です。
メインカラー:赤みの強い茶。特に目立った使用はされていませんが、茶系の濃淡が穏やかなサイト風景を演出しています。
サブカラー:山吹色。オンラインショップなどへのリンクとして、サイドに常に表示されており、シンプルなページにアクセントをもたらしています。
5 招き猫とおかげ犬
おかげ横丁ウェブサイトでは招き猫のイラストがおかげ横丁のシンボルのように扱われています。
また、江戸時代に流行ったという「おかげ犬」をイメージした、特別な「お伊勢まいり体験」を紹介しています。
動物をブランディングに取り入ることで、希求する層を広げる工夫が感じられます。
来る福招き猫まつり
おかげ横丁で毎年開催される「来る福招き猫まつり」は、日本招猫倶楽部が制定した9月29日の「来る福(くるふく)」にちなんで、福を招き続ける招き猫に感謝するお祭りです。
全国各地から、色もデザインも形も異なる多種多様な招き猫が約1万点も集まり、展示や販売が行われます。
このお祭りでは、招き猫の展示や販売だけでなく、招き猫の絵付け体験、限定の飲食メニュー、スタンプラリーなど、さまざまな催しが開催され、多くの来場者で賑わいます。
招き猫、招き猫ポットの絵付け
お祭り期間以外にも、招き猫への絵付け体験が用意されています。
短時間で体験できる手軽さは旅行者にはありがたく、この横丁を訪れるきっかけともなるでしょう。
おかげ犬体験
しめ縄首輪を着けた愛犬と一緒に、お伊勢まいりをする提案がされています。
一緒に参拝する体験はもちろん魅力的ですが、いつもと違った装いの愛犬の写真を撮れることも、飼い主としては嬉しいのではないでしょうか。
映えも意識した、ここでしか出来ない特別な体験提案は大きく集客に貢献しそうです。また、リピーターへの対応もしっかりと説明され、固定客を作るような工夫が見られます。
6 マーケティングの観点から見て
おかげ横丁ウェブサイトでは、ここを単なる小売店の集まった商店街ではなく、「おかげ横丁」ブランド化する取り組みが数多く見られます。
江戸時代のお伊勢参りの雰囲気を味わえる街づくりが最たるものですが、サイトで見られるブランディング戦略も大変優れていると感じました。
リピーター惹きつけ戦略
新着情報や季節祭りを定期的に更新し、「またチェックしたくなる」→「出かけたくなる」仕掛けがあります。
また、おかげ犬体験にも、リピーター優遇の配慮が見えます。
体験型誘導
kimonoレンタル、紙芝居、太鼓演奏や絵付け体験など、実際に参加したくなるコンテンツが目立つ案内で誘導されています。
オンラインショップとの融合
物販への導線がサイト上に明確に示されています。現地訪問後の購買動機も逃さない構造です。
インバウンド対応
英語対応ページにより、海外旅客の誘導にも積極的です。
7 ユーザーインターフェース
おかげ横丁ウェブサイトは、新着情報や体験プラン、スケジュールなどのコンテンツはカード形式やリストで、情報が整理されて見やすく構成されており、訪問者へ分かりやすく伝える意識の高さが見られます。
2つのナビゲーション
2つのナビゲーションが用意され、目的に応じて使い分けができます。
ページ内に表示されるナビゲーションは縦書きで表示され、和の雰囲気を演出する効果を持っています。
ハンバーガーメニューのナビゲーションは見やすい水平レイアウトで、項目ごとに整理されており、直接的なアクセスに便利です。
レスポンシブ対応
スマートフォン表示にも配慮されていて、問題ない表示環境です。
SNS連携
Instagram、LINE、Facebookのアイコンが常にサイド表示され、外部との接続もスムーズです。
多言語対応
「English」ボタンにより、ページを英語表示に切り替えることが可能です。
体験案内や店舗紹介にも英語ページが整備されている点が頼もしい配慮です。
まとめ
おかげ横丁ウェブサイトは、昔のお伊勢参りの雰囲気が味わえる「情緒」と「利便性」がバランスよく共存しています。
優しい雰囲気のビジュアルや絵地図は親しみを感じさせ、昔の日常がよみがえる町並みが懐古の情を高めながらも、ナビゲーションは使いやすく構築されています。
招き猫をキャラクター的に扱う横丁のブランディングに合わせ、イラストなどに取り入れる工夫が見られたり、おかげ犬体験の提案をするなど、動物を通じて親しみが深まる仕掛けの巧みさも感じられます。
横丁の豊富な催事情報は随時更新され、訪問前の興味を喚起し、リピーター訪問へも繋げています。さらに体験への誘導、オンライン販売への接続といった流れが自然です。
また、英語対応やSNS連携など、今の時代に即した配慮もきちんと行き届いています。
サイト全体のトーンが「古く懐かしい日本」のレトロな雰囲気に統一され、「おかげ横丁」というブランドをしっかりと築き支えているのが素晴らしいと感じました。