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070 Sghr:菅原工芸硝子

手しごとで生まれるガラスのストーリー

Sghr(菅原工芸硝子株式会社)

1 Sghr:菅原工芸硝子ウェブサイトの概要

菅原工芸硝子株式会社(Sghr)は、1932年創業、千葉県・九十九里に工房を構え、手づくりにこだわったガラス製品づくりを続けている企業です。
Sghrウェブサイトは、ブランドの世界観を丁寧に伝える構成で、オンラインショップをはじめ、ものづくりの背景や体験情報、サステナブルな取り組みなどを網羅しています。

070 Sghr:菅原工芸硝子 ハンドメイドガラス製品

2 サイトのターゲット

ウェブサイトの訪問者は次のような層だと思われます。

  • ガラス製品に関心のある一般消費者
  • オンラインで気軽に購入を検討する方
  • 工房の世界観や体験に興味を持つ来訪者
  • サステナブルなものづくりに共感する意識高い層

 

3 トップページの印象

Sghrウェブサイトにアクセスした瞬間に広がるのは、真剣な表情で製品造りに取り組む姿です。熱い炉を経て人の手で生み出され、熟練の技術によって作品となったガラス製品が誇らしげに映し出されていきます。
ファーストビューのスライド演出だけで、一本の動画のように、ここで生まれる製品のストーリーが語られているようです。

人の手が入る作業現場は情熱「熱さ」を感じさせ、製品となったグラスウェアはそのような労苦があったことを微塵も感じさせない「静謐さ」を持っています。その対比が、職人のプロとしての技を際立たせており、大変素晴らしいです。

ビジュアル上には「QUALITY HANDMADE GLASSWARE Sghr 手しごとに、こころを込めて あなたの暮らしに。」の文字が浮かびます。

セリフ体・明朝体の白文字で表現されるキャッチコピーは大変スマートな表示ですが、手づくりであること、高品質であることの企業としてのこだわり、そして、それは製品となって暮らしに彩りをもたらすことを想ってのこだわりだ、ということが熱く心に響きます。

 

4 特徴

Sghrのウェブサイトは、各種コンテンツとオンラインショップの導線が調和して、「知る」「見る」「買う」がスムーズに展開されています。

「手しごと」「自然素材」「美しさ」「サステナブル」「体験」をキーワードに、ブランドの価値観を多方向から支えています。特に「ガラスの声を聞く」「生きているガラス」というメッセージは、ブランドの哲学をストーリーとして伝える重要な要素です。

静かに、そして確実に「手づくりへのこだわり」と生み出された製品の美しさが、ウェブ上でもしっかりと伝わります。
フルスクリーン背景やセクションごとの写真の切り替えは、訪問者に「じっくりと時間を使って見てもらいたい」という想いの表れのような演出です。
構図や余白使いも心地よく、ページ全体がガラスの透明感のように透明感をまとっています。

体験やストーリー、シリーズごとの世界観を丁寧に描くことで、ただのECサイトではなくブランドの世界に共感を呼び込む仕組みがあります。

サイトの色彩効果

背景色:白
メインカラー:モノトーン

ロゴマーク含め、見出し、本文、項目背景色などは特に色を持たず、全てグレー系で統一されています。
サイト全体がモノトーンに抑えれれていることで、スタイリッシュな雰囲気が生まれ、また、表示されるガラス製品の美しい色と形がより際立っています。

ガラスの性質:瑕疵から個性へ

サポートページには、「ガラスの性質」というページが設けられ、気泡やスジ、キズ、個体差といったものが生じる原因を、ハンドメイドガラス製品が生み出される工程上のストーリーとして紹介し、(ある程度は)「個性」であるとの認識を示しています。

こういった事柄は、クレーム対応として「よくある質問」で取り上げられているのをよく見かけます。
瑕疵だとしてクレームに繋がりかねない事柄を、丁寧なストーリーで「個性」へ昇華しているのが素晴らしいです。

070 Sghr:菅原工芸硝子 ガラスの性質

サステナビリティの視点

「RECYCLE」「REWORK」「IMPERFECT」といった、ガラスがもつ再生性や「一期一会の美しさ」を前面に打ち出すコンテンツが、ブランドの信条として明確に表現されています。

体験とストーリーの訴求

「工房見学」や「ガラス制作体験」、カフェやショップの併設といった、五感で感じられる情報をサイトを通して提供している点も魅力です。

 

3 ユーザーインターフェース

Sghrのウェブサイトは、シンプルでスマートなインターフェースで、訪問者のサイト体験をサポートしています。

ナビゲーション

ハンバーガーボタンによるナビゲーションは、大きく展開され、的確に分類された目的別にページ遷移しやすい設計がされています。

レスポンシブ対応

スマートフォンでの表示にも対応した設計です。

SNS連携

facebook、Instagram、Youtube、noteへの導線があります。
特にYoutubeの番組構成には力が入っている事が感じられ、もっとアピールしてもいいのではと感じました。

 


まとめ

Sghr:菅原工芸硝子のウェブサイトは、手しごとへのこだわりと、のこもった製品をお客様に届けるという想いに満ちています。

静かな演出を加えながら、ひとつずつストーリーが紡がれていくようなサイト構成で、ハンドメイドガラス製品が生み出される工程が丁寧に紹介されています。
そのことによって、どうしても生じてしまう個体差なども「個性」として受け入れる説得力が生まれています。

オンラインショップとブランド世界観、体験の案内が柔らかく融合し、「ただ買う」ではなく「共感し、感じ、買う」という体験へ誘います。視覚的な演出だけでなく、サステナブルやものづくりへの想いを共鳴させる設計が巧みです。

掲載されるハンドメイドガラス製品のビジュアルはどれも美しく、一つ一つ、人の手によって魂を吹き込むようにつくり出された製品の佇まいは、「作品」と呼びたくなるほど存在感を持っています。

手しごとにこだわり、長年にわたって心に響くようなものづくりを続けている企業の姿を、静かに心に残してくれるサイトでした。

 

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