桜に彩られた華やかさ「遊の城下町」
小江戸甲府花小路
1 小江戸甲府 花小路 Webサイトの概要
小江戸甲府 花小路は、甲府市の「まちづくり戦略」に基づく都市再生プロジェクトの一環として、2025年4月19日に誕生したばかりの施設です。旧税務署・社会福祉会館跡地を歴史文化交流施設「こうふ亀屋座」とともに整備し、城下町としての賑わいや文化の再興を目指しています。
かつて城下町の花街として栄えた街の風情を現代に再現したエリアに並ぶ町屋風建物には、地元の飲食店やショップが集まっています。
小江戸甲府 花小路 ウェブサイトは、トップページに「活気にあふれた『遊』の城下町」のキャッチコピーと共に美しいイメージビジュアルが並び、訪問者に情緒ある空気感を静かに伝えるデザインです。
メニュー項目として「お知らせ」「お店をさがす」「みどころ」「花小路を知る」「アクセス」が並び、情報への直感的な導線が整っています。
2 「甲州夢小路」と「小江戸甲府花小路」
先日分析した、「甲州夢小路(分析ブログへ)」と「小江戸甲府花小路」は、共に甲府市の都市戦略に基づき整備された地域・施設です。
甲府駅北側の甲州夢小路は「知の城下町」、駅南側の小江戸甲府 花小路は「遊の城下町」といったコンセプトが与えられ、対となる施設といえます。
3 サイトのターゲット
小江戸甲府 花小路 ウェブサイトは、町並み散策やグルメを楽しみたい幅広い層を想定している印象です。
「新名所」「写真映えスポット」「地域の憩いの場」といった文言から、家族連れ・カップル・ひとり旅の方などに向けた柔らかな誘いが感じられます。
「観光」に特化した施設が少ないことから、観光客・地元住民問わず「小江戸」感ある街自体を楽しんでもらおうと言う意図がサイトから伺えます。
4 トップページの印象
小江戸甲府 花小路 ウェブサイトのトップページは、赤い幕が引き上げられ情緒ある町並みへと誘い込まれるような演出から始まります。
メインビジュアル上の左右には桜の花枝が現れ、下から花びらが舞い上がる演出が施され、華やかさを演出しています。
中央に表示される「小江戸甲府 花小路」ロゴは流麗な筆文字で記され、江戸の粋が感じられます。
トップページは、風情あるこのエリアのイメージを桜の花で彩りながら、ビジュアルを中心で伝えています。
例えば、「春の石垣の桜」「江戸時代風の石畳や建物」が映った写真からは時を遡るような感覚が生まれ、甲府らしい店舗の紹介からは、華やかで楽しいイメージが膨らんで来ます。
5 特徴
小江戸甲府 花小路 ウェブサイトは、江戸情緒を感じさせる町並みを、多くのビジュアルと文字表現で伝えています。
桜に包まれた花小路
サイト全体が桜のイメージで包まれ、非常に華やかな印象を残します。
- トップページの桜の花枝による柱飾りと桜吹雪のような演出
- ナビゲーションコンテンツの文字飾り
- Go to Top ボタン
- 見出しの枠飾り etc
文化施設との連携
「こうふ亀屋座」という文化交流施設があり、歴史的な芝居小屋「亀屋座」にちなむ名称で、このエリアの文化的側面を深めています。
サイトの色彩
背景:淡いクリーム色。甲州夢小路サイトと同様に、こちらも和紙を思わせる地紋が入っています。あちらは霞雲のような柄でしっとりと、こちらは晴れやかに明るい印象です。点状の地模様はこのサイトでは、遠く小さく空を染める花吹雪のように見えてきます。
メインカラー:茜色。甲州夢小路サイトで使用される色とよく似ていますが、こちらはワインというよりは、赤のれんや提灯、昔の茶屋の毛氈(もうせん)のイメージを感じます。
サブカラー:桜色。サイトにあふれる桜のビジュアルに合ったピンク色がアイコンなどに使用されています。
アニメーション
スライドインアニメーションが非常に多く使われています。特に「花小路を知る」ページは、ほぼすべてのアイテムにアニメーション効果があるように感じます。
トップページには、スライドインの他にも、引き上げられる幕、横から現れる桜枝、舞い上がる桜の花びら、富士山の画像の周りを回る文字等、こちらは多彩なアニメーション効果が使用されているのが印象的です。
6 ユーザーインターフェース
小江戸甲府 花小路 ウェブサイトは、シンプルなナビゲーションを始めとして、使いやすいサイト構成となっています。
ナビゲーションメニュー
メニュー構成がシンプルで迷わず目的情報にたどり着ける設計になっています。「お知らせ」「店舗案内」「みどころ」「アクセス」などの分類は、訪問者にとって自然で使いやすい構成です。
レスポンシブ対応
スマートフォン表示でもアニメーション効果が有効的な演出表現となっており、しっかりとしたレスポンシブ設計で構築されています。
SNSとの連携
ページ内にFacebookやInstagramのアイコンが配置されており、公式SNSの導線が設けられています。サイト外でのビジュアル展開や情報発信への意欲が見られます。
まとめ
小江戸甲府 花小路 ウェブサイトは、賑やかな小江戸の街並みを持つ施設を、色鮮やかに表現しています。
桜の花で彩られたサイトの景色は、「花小路」のウェブサイトに相応しい華やかさに満ちています。
また、コンセプトである江戸情緒と現代的な観光拠点としての魅力を、視覚イメージ中心で、大変魅力的に伝えています。
ユーザーインターフェースはシンプルで見やすく、SNSとの連携もさりげなく導線が設置されています。
特に印象的なのはアニメーション演出です。非常に細やかに多様な設定をしており、「賑やかさ」「活気ある動き」の印象づけとなっています。ともすればうるさくなりそうな画面をしっかりとまとめ上げる巧みさがあり、『「遊」の城下町』と称されるエリア施設をよく表現していると思います。
前回の「甲州夢小路」とは、共に「小江戸」の雰囲気を継承する施設の姉妹サイトですが、持つ空気感は全く違ったものでした。こちらの方がより柔らかで、地元民に寄り添うカジュアルさを感じます。
どちらのサイトも魅力的で、観光客の回遊提案にも優れていました。今年、駅南北に2つの施設が揃ったことで、甲府市の観光促進やブランディング戦略もより進むのではないかと感じました。