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054 にしかわイノベーションハブ TRAS

小さな町を広く世間に〈つなぐ〉デザイン

にしかわイノベーションハブ TRAS公式サイト

1 にしかわイノベーションハブ TRAS Webサイトの概要

にしかわイノベーションハブ TRAS(トラス)は、山形県西川町にある、多機能型コワーキング施設であり、交流と創造を促す地域の拠点として設計されています。2024年度、2024年ウッドデザイン賞を受賞されるなど、建築とコンセプトが評価されています。(ウッドデザイン賞 | 受賞作品データベース)

にしかわイノベーションハブ TRAS公式サイトは、施設利用者への情報提供サイトであると同時に、〈つなぐ・つながるまちの新しい風景をつくる〉をコンセプトにこの施設を作り上げた、西川町という「人口5000人にも満たない町。」を世間に知らしめる役割を担っていると感じます。

 

2 町内利用者へ、そして「関係人口のみなさん」へも

にしかわイノベーションハブ TRASウェブサイトは、同施設利用者への情報提供サイトとして機能しています。

町民への利便を図るのはもちろん、町外利用者の利用も促進しています。

  • 地域住民:特に西川町民は無料利用できるスペースもあり、日常的な活用を見据えています。
  • テレワーカーやクリエイター:集中できる個別ブースや交流しやすいコワーキングエリアなど、多様なニーズに対応しています。
  • 子育て世代や家族連れ:キッズスペースや授乳室を備え、利用者を幅広く包み込む設計です。
  • 「つなぐ・つながるまち」として、「西川町にもっと関わりたいそんな人たち」の利用を促しています。

 

3 つなぐ・つながる世界への扉:トップページ

にしかわイノベーションハブ TRASウェブサイトは、白い画面に「にしかわイノベーションハブ TRAS」の文字と、ロゴマークがじわりと浮かび上がる、スプラッシュページからスタートします。

1 ファーストビューの印象

スプラッシュページの後に表示されるページ冒頭には、木組の形が美しい建物の画像が、フェード効果のスライドで現れます。どこを切り取っても画になる、完成された建物の素晴らしさが際立つビジュアルです。

小気味よいテンポで切り替わるビジュアルの表示枠は、左側は大きくアールを描く枠が見えますが、右側は画面いっぱいまで広がっています。それにより、右側に続きが広がる効果を生んでいます。西川町の「つながる世界」がそちらに大きく広がっているのを表しているかのようです。

まさに、トップを飾るに相応しいビジュアル演出です。

2 カルーセル

中央に表示される画像は、利用者が思い思いにこの施設を利用している様子が、自然体で撮られた写真です。単に横並びで表示されるのではなく、交互に上下の段差をつけたカルーセル演出表示により、より楽しげに、生き生きと感じられる効果を生んでいます。

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4 サイトの特徴:コンセプトの徹底と癒し効果

にしかわイノベーションハブ TRASサイトは、その美しい画像に導かれるまま自然と読みすめられます。サイトを訪れ内容を確認しているだけで、なぜか癒やされてしまうような、不思議な魅力があります。

色彩やデザインが統一され、回遊導線もしっかりとして使い勝手の良さを感じます。

1 コンセプトの反映

この施設の構想にあたってのコンセプトは、つなぐ・つながるまちの新しい風景をつくるとのこと、それを見事に形にした施設です。
サイト全体からも「みんながつながれる居場所」というTRASの理念が明確に伝わります。トップの見出しや丁寧な説明文、施設の多機能性の強調などにより、「地域にもたらす価値」と「居場所としての居心地の良さ」が一貫して語られています。こういった事により、ローカルな共感と皆に受け入れられる「ブランド」としての位置を構築しています。。

2 平面図からも伝わる施設理念

トラス(TRAS)という名前は、3を意味する”tri”と挑戦の”try”が由来です。』とのこと。理念が設計となり、この美しい建物が生まれています。

「フロアマップ」として平面図が表示されるのは一般的なことですが、この建物の場合は特に、特徴的な形から、自然とコンセプトを私たちに伝えてくれるような感じがします。

054 にしかわイノベーションハブ TRAS フロアマップ

3 開放感と包まれるような安心感:施設画像

施設は木の温もりや自然を感じるもので、ビジュアルの画像表示により、このサイトにも柔らかな印象を与えています。吹き抜けの大空間や木組みの天井の様子は、施設訪問者だけでなくサイトの訪問者にも、包まれるような安心感を与えてくれ、大変印象的です 。

4 歴史をカラーに添えた色彩

白い背景をベースに、基本色は、木のナチュラルな色を思わせる、赤寄りのベージュです。

かつて銅山で栄えた西川町の歴史をカラーに添えて、施設のシンボルとしました。』とのことですので、これは赤銅色を優しく表現したものでしょう。

歴史を穏やかに取り込んだ柔らかな赤銅色には、ホッとする安らぎを与えてくれるような印象を抱きました。

5 フォント

ページ本文は一般的なゴシック体を使用し、視認性よく読みやすいです。

特徴的なのはメニュー項目のタイトルで、柔らかく丸みを帯び、デザイン性高いロゴタイプです。

6 「にしかわイノベーションハブ TRAS」のロゴマーク

ロゴマークは、3組の円弧がTを形作っており、優しい赤銅色の線で表現されてれています。

特徴的な施設の形をも踏襲していて、コンセプトが反映された美しさを生んでいる、素晴らしいデザインです。

 

5 ユーザーインターフェース

にしかわイノベーションハブ TRASウェブサイトは、ナビゲーションメニューが分かりやすく、シンプルで使いやすい構成です。メニュー構成や見やすいレイアウトを通じて、利用者が施設の機能や使い方を直感的に把握できるよう工夫されています。

レスポンシブ対応もされており、モバイルでの表示についても問題ありません。

また、Instagramへのリンクがあり、イベントなどの案内を積極的に行っている様子が見られます。

 


まとめ

にしかわイノベーションハブ TRAS公式webサイトは、デザイン設計はシンプルですが、建物の設計自体が素晴らしいので、平面図も施設画像もサイトを彩る要素となって輝いています。

画像の表示にはスライド、カルーセルなどの演出が見られ、平面的なサイトに動きのリズムをもたらしています。

画像表示の「続きがあるような」枠取りの仕方は、これから先、世界を広げていく西川町の姿を表しているようで、さりげない工夫が感じられました。

平面図がアートとなるような、この施設の設計の素晴らしさは、3個の双曲線が集まったような特徴的な形としてロゴマークにも現れており、デザインとしての完成度の高さを見せています。

落ち着いたデザインと施設設計の素晴らしさを活かしたTRASのサイトは、施設の温もりと機能性をしっかりと伝えています。一貫したブランディング、わかりやすい構造、多様なユーザーへの配慮が整っており、地域に根ざした信頼性の高いウェブ体験の提供をサイト全体から感じました。

小さな町を広く世間に〈つなぐ〉こと、それがデザインとして表現されており、町民はもちろんのこと、ここに集まる「関係人口のみなさん」にも、今まで西川町に縁のなかった私たちにさえも、大変魅力あるサイトとなっています。

 

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