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030 丹沢・大山ーエリアナビ

文化・自然・山の魅力を 知る・楽しむ・登る

丹沢・大山ーエリアナビ

1. 丹沢・大山ーエリアナビwebサイトの概要

丹沢・大山ーエリアナビは、「知る・楽しむ・登る」の視点から、神奈川県西部の自然豊かなエリアの魅力を伝える観光情報サイトです。

目立つ表記はありませんが、サイトの運営は小田急電鉄株式会社で、同社が発売する「丹沢・大山フリーパス」の該当地域の観光を包括して紹介しています。

はじめてなのに、ほっとする。」をキャッチコピーに、自然に溢れた景色や温泉街、歴史ある神社仏閣の佇まいが、魅力的なビジュアルで展開されており、初めての訪問者にもその土地の雰囲気が心地よく伝わります。

洗練されたデザインで構成され、「都心から短時間で訪問できる」という視点から地域の特長を紹介しています。

 

2. ターゲット

主なターゲットは、首都圏在住者。観光・登山・温泉好きな層や、週末の小旅行先を探している20代独身層からファミリー・シニア世代まで幅広い層をターゲットとしていると推察されます。サイトデザインからは、特に若い女性への訴求が感じられます。

文章や構成に「初見者にも興味を持って読んでもらえる」配慮があり、今までこの地域への関心が低かった人へのアプローチを軸にしているようです。

 

3. トップページの印象

丹沢・大山ーエリアナビのファーストビューは、「はじめてなのに、ほっとする。」のキャッチコピーを中心に、涼しげな河原の景色や、かき氷、花火、神社の赤い鳥居の画像が画面いっぱいにスライド表示されます。

「夏」をイメージする画像が多いのは、季節を反映してのことでしょう。下に続く記事も「夏」となっており、この季節ならではの楽しみ方が紹介されています。季節に応じたトップページの構成変更には、ユーザーへの丁寧な配慮を感じます。ぜひ他の季節にもサイトを訪問して変化を確認したいところです。

ページは白い背景に文字間をゆったりと広くとり、文章は短く、次のページへ誘うイントロダクションのようです。厳選された写真も空間を空けて上品に配置されています。

YouTuber等のモデルを使ったイメージ写真、キャッチを巧みに配置した余白の多いデザイン、これらによって、まるでファッション雑誌のビジュアル旅行記事のような雰囲気を持っています。

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4. サイトの特徴

丹沢・大山ーエリアナビの大きな特徴は、「面」としてのエリア紹介となっているところです。
観光地を点と点の集まりではなく、「地域のまとまり」として紹介することで、利用者がこの地域の全体像を把握しやすくなっています。
たとえば、秦野市や伊勢原市といった行政区分にとどまらず、「ヤビツ峠」「七沢温泉」「大山」といったエリアごとの特色を軸にした紹介が行われており、地元ならではの視点が感じられます。よくある自治体主導の観光案内ではなく、鉄道会社がその沿線の観光地を総括して情報提供しているサイトの利点だと思います。

紹介文はコンパクトながら情報密度が高く、歴史や自然、交通の話題がバランスよく盛り込まれています。アクセス手段やハイキングコースの紹介など、滞在中の動線から見た情報提供あるいは提案が随所にみられ、旅行者の行動計画づくりを丁寧に支援しています。

また、記事から自然にお得なチケット利用の”おすすめ”へと連動している点が特徴的で、企業としてのサイトの目的意識がよく現れています。

サイト全体のデザインは、ガイドブックもしくはビジュアル情報誌の雰囲気を漂わせ、洗練された静かな余裕が感じられます。
グルメ情報やイベント情報はもちろん、「登る」のページですら「辛い登山」や「一部の人の趣味」といった雰囲気はまったくなく、都心から短時間で訪れることができ、誰でも気軽に自然を満喫できる観光地紹介の位置付けとなっています。

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5. ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンス

丹沢・大山ーエリアナビウェブサイトのユーザーインターフェースは、全体的にシンプルかつフラットで、フェードイン効果は静かに取り入れられていますが、過剰なアニメーションや視覚効果に頼ることなく、落ち着いた構成です。
いい意味で紙媒体の雰囲気を持ち、魅せる仕掛けを駆使するというより、訪問者に主体的に見て感じて読んでもらうといった印象です。そこにウェブならではのナビゲーションという「索引」が機能的に働いて、ユーザーの利便性を向上しています。

また、YouTuberを採用し、ここからYouTubeへの連携も図られています。記事と連動することにより、動画では掴みきれない情報をサイトで、サイトで伝えきれない空気感を動画でとお互いを補完し合うことでユーザーエクスペリエンスの向上に貢献しています。

ナビゲーションメニューは項目を絞り、直感的に「何を知りたいか」「どのテーマで探すか」を選びやすくなっています。
エリアごとのカテゴリー分けではなく、「知る」「楽しむ」「登る」と分けることで、利用者の興味に応じた記事の提供が行われ効率的です。また、それぞれのカテゴリーからも次のページを捲るように自然に他のカテゴリーへ移る工夫があり、サイト内回遊からの興味の深まり→観光利用の促進へ繋げています。

サイト設計はマルチデバイス対応しており、スマートフォンでの閲覧も快適です。

秦野市、伊勢原市、厚木市の観光協会へのリンクもあり、当該地域自治体との連携により情報が拡充され、相互利益に繋がっていると考えられます。

 


まとめ

丹沢・大山ーエリアナビWebサイトは、自然と文化の観光資源に恵まれたこの地域の魅力を、印象的なビジュアルとバランスのいい文章量、余白の多い洗練されたウェブデザインで伝えています。それは雑誌やガイドブック等の紙媒体のような静かな雰囲気で、都会生活者が自然に囲まれたこの地域に求めるものに大変マッチしていると感じます。
説明図や写真の使い方、分類の工夫、言葉の選び方において、地域への敬意が感じられ、観光客への情報提供に留まらず、地域への親しみを多くの人に感じてもらうための「やさしいナビゲーター」となっています。

鉄道会社の運営サイトではありますが、その事業への誘導はあくまでもユーザー利益に沿った提案という形をとっており控えめで、このサイトの存在は観光振興や地域マーケティングに大いに貢献しているといえるでしょう。

 

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