190年の歴史を土壌に 3つのビジョンで成長
タキイ種苗株式会社
1 タキイ種苗株式会社 Webサイトの概要
タキイ種苗株式会社は、京都市に本社を置き、種苗の開発・販売を中心に、園芸資材や農業関連サービスを幅広く展開している老舗企業です。
タキイ種苗株式会社公式うぇぶサイトでは、一般家庭向けのガーデニング情報から、プロ農家向けの専門技術情報まで、多様なコンテンツが掲載されています。
2 ターゲット
タキイ種苗株式会社ウェブサイトの主なターゲットは大きく2層に分かれると考えられます。
- 個人:家庭菜園やガーデニングを楽しむ一般ユーザー
- プロ:職業生産者や農業関係者
トップページには「家庭園芸のお客様へ」「生産者のお客様へ」と明確に分かれた動線があり、ターゲットごとに必要な情報へスムーズにアクセスできる設計となっています。
3 トップページの印象
タキイ種苗株式会社ウェブサイトのトップページは、比較的オーソドックスな構成ながら、安心感のあるデザインです。
ファーストビューには、季節感のある大きなビジュアルが配置されており、栽培に適した時期の商品や特集コンテンツがスライド切り替えで表示されます。
画像は鮮やかで明るく、視覚的なアピールをしつつも、実直な企業姿勢が伺えるデザインです。
一つ気になったのは、会社のロゴがかなり小さく表示されている点です。このサイトの訪問者は社名を気にしないとの考えからなのか、それとも『裏方』に徹したいとの想いからなのか。長い歴史を持つ老舗ブランドであるのに、勿体ない気がします。
4 創業190周年
現在、スライドビジュアルのトップは、190周年ロゴマークが大きく使用された画像です。
私は、その歴史の長さに感銘を受けると共に、ロゴマークに心惹かれました。
『0』のデザインからは、「種から芽を出し、陽を求めて丸く茎を伸ばし、見事に花(実)をつけた」ー そんなストーリーが浮かびます。種苗とその成果に心を砕くこの企業の姿勢を体現しているように感じました。
190周年特別サイトもまた、『タキイ種苗株式会社』がこれから目指す姿を象徴しているようです。
『トマト色』の眩い赤の背景は、歴史を土壌に未来へ向かって成長していく、この会社の元気と活気を感じさせてくれます。
5 特徴
タキイ種苗株式会社ウェブサイトには、栽培ノウハウや野菜レシピ、花の豆知識など、ユーザーの関心を引く情報が豊富に揃っています。
会社のビジョンは、「きわめる。つながる。ひろがる。」とのこと。(ロゴマークの3色もそれを象徴しているものと思われます。)
サイトも3つのビジョンに沿って展開されています。
◾️ きわめる。
- 商品情報や育て方情報などが詳細かつ整理されており豊富。
- 企業の歴史や理念に触れられるコンテンツが充実。 など
◾️ つながる。
- 季節やイベントに応じたコンテンツ更新
- 使いやすい検索機能で目的の情報へ
- SNSとの連携 など
◾️ ひろがる。
- 一般消費者・法人向け異なる価値に合わせた情報提供。
- SDGsへの取り組みによる社会貢献。
- 「園芸専門学校」での人材育成
- 食育活動 など
大まかに上記のように分類してみましたが、どれも3つのビジョンすべてを意識しての活動が伺えます。
6 ユーザーインターフェース
タキイ種苗株式会社ウェブサイトのユーザーインターフェースは、全体的に親しみやすく、文字サイズや色のコントラストにも配慮されており、ユーザー目線で使いやすさ重視の印象です。パソコンでもスマートフォンでも読みやすく、レスポンシブ対応も自然です。
︎ナビゲーションメニュー
タキイ種苗株式会社ウェブサイト内の情報量は多いですが、ナビゲーションメニューが項目ごとに整理され、ホバーによるメニュー展開で、下層情報へのアクセスもスムーズです。
種類の多い商品については検索機能も実用的で、商品名や品目からユーザーが迷わず目的地に進める構造になっています。
︎SNSとの連携
ページ最下部にFacebookやX、Instagram、YouTubeのリンクが設置されています。SNSボタンは目立ちすぎず控えめに設置されているため、世界観を損なわない配慮も感じられます。
まとめ
タキイ種苗株式会社の公式webサイトは、多様な目的を持つユーザーに対して、多様なコンテンツを使いやすく提供している点が印象的です。
多くの情報や記事がありながら、ユーザーの必要に応じての移動はスムーズです。
デザインはシンプルで信頼感があり、農業や園芸というテーマにふさわしい「生育を支える優しさ」を感じさせるような安心感があります。
十分な情報提供と分かりやすい操作性により、老舗企業の信頼感と親しみやすさをバランスよく伝えているサイトです。
190年という歴史は企業の努力と信頼を裏付けていますが、それに甘えず更なる成長と社会貢献を目指す姿勢には、古びない活気を感じました。